協会について

ご挨拶

知的障害者の福祉を増進しよう。

 国の障害者施策推進会議では、「福祉の増進」という言葉から「権利の保障」に移行したい意見がたくさん出ていました。しかし、知的障害者の多くの方が、「権利」の言葉も内容もよくわからない状況です。自らの権利を自らが主張し、勝ち取っていくことは、とても難しいことです。もちろん、知的障害者の方々に日本人としての基本的人権があるのは当然です。でも、現在の成年後見制度においては被後見人になることで公民権が剥奪されてしまうのです。選挙を行う能力がないということは、誰が決めるのですか。実際に投票するかどうかは別にして選挙に参加する機会も奪われるのは、同じ日本人ということにならないのだと思います。このことも、ご本人たちが、「選挙に行けない、つまらないなあ」という声を聞いた家族や支援者が応援して、今、裁判になろうとしています。

 知的障害者自身は、当然権利の主体ですが、支援するものがその実現に協力していかないとその権利が本人のものにならないのです。私たち東京都発達障害支援協会は、「意思決定支援」という知的障害者や発達障害者、精神障害者に対する専門的支援に対し、障害者施策推進協議会を始めとし、福祉部会や各政党に働きかけをおこなっています。これについては、東京大集会(毎年開催)の主催者団体とも協力しています。

 これからも私たち東京都発達障害支援協会は、ご本人の権利を、その人の声(声にならない声も含めて)を聞きながら、その人がその人らしく、少しでも思いが叶う社会の実現を目指して、運動し、研修を行うことで知的障害者の「福祉の増進」に邁進していこうと考えます。

   理事長  山下 望
特定非営利活動法人東京都発達障害支援協会
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